折笠静馬
CV : 中村悠一
元会津藩士で、武士を捨て東京に出て車夫を生業としていた。それが岩倉具視暗殺未遂事件を切っ掛けにして、ポリスの巡査(現在の警察官)となる。戊辰戦争当時は官軍からも「会津の鬼殺し」として知られた剣の達人で、その腕は今も変わらず。剣の腕をひけらかすことはないが、腕前にはかなりの自信がある。戊辰戦争で行方不明になった許嫁を探している。また正義感が強く義に厚い。意外と直情的な面も持ち合わせる。
声優コメント
2024.3.18
3/24(日)の放送は最終回60分スペシャル! 第玖話・第拾話を2話連続でお届けします。
さらに3月21日(木)と22(金)の2日間連続で第1話から第8話までを一挙放送! 詳しくはこちら
2024.2.5
2/11(日)の放送は中止となります。第肆話「撃剣」は翌週2/18(日)よる11時放送予定。
2024.1.22
1/28(日)の放送は中止となります。第参話「狩人」は翌週2/4(日)よる11時放送予定。
2024.1.14
今夜11時より放送開始。
1874年。車夫の元会津藩士・折笠静馬は、行方不明の許嫁・鹿又澄江を捜していた。だがある事件を切っ掛けに新設されたポリス(警察)の一員となり、政府転覆の陰謀を追うことに。
同じ頃、ヤクザの守屋組に凄腕の剣士・修羅神狂死郎が客人となった。政府転覆の黒幕と繋がる守屋組で、彼は己の目的のため地位を固めていく。
かくて静馬と狂死郎との運命のドラマが動き始める。その中で静馬には、皮肉な出会いと別れが待っていた。
元会津藩士で、武士を捨て東京に出て車夫を生業としていた。それが岩倉具視暗殺未遂事件を切っ掛けにして、ポリスの巡査(現在の警察官)となる。戊辰戦争当時は官軍からも「会津の鬼殺し」として知られた剣の達人で、その腕は今も変わらず。剣の腕をひけらかすことはないが、腕前にはかなりの自信がある。戊辰戦争で行方不明になった許嫁を探している。また正義感が強く義に厚い。意外と直情的な面も持ち合わせる。
声優コメント隻眼で着流しの無宿浪人。いかなる所以か、東京で大きな勢力を誇るヤクザ、守屋組の侠客として世話になり、自ら守屋組の汚れ仕事を積極的に引き受ける。その結果、すぐに組長の龍三と杯も交わし、組の中では新参者であるにも関わらず信頼も勝ち得ていく。長ドスの使い手で、多少腕に覚えがある程度の人間では全く太刀打ち出来ない。常に冷静で感情を表に出すこともほとんどない。
声優コメント静馬の許嫁。戊辰戦争では鶴ヶ城の臨時救護所で負傷兵の手当を行っていたが、不足した物資を求めて城下へ出た際に行方不明となる。折り紙で独特の形のウサギを折るのが得意であり、出陣する静馬にお守り代わりとしてウサギの折り紙を手渡した。それを静馬は今も大切なお守りとして、また澄江の唯一の手がかりとして持っている。
声優コメントイギリスの日系人ジャーナリスト。英国での名は「メアリー・ブラックウッド」。日本ではこの名で記者の活動をしている。英国公使館にも自由に出入りしており、パークス公使のビジネスパートナーとして、その手先となって諜報的な活動も行う。なかなかしたたかで、行動的な性格。
声優コメント薩摩出身のポリスの巡査。岩倉暗殺未遂事件では、容疑者と偶然接点があった静馬を、元会津藩士というだけで共犯者とみなしてしまった。巡査となった静馬と組んで警邏任務に当たることになる。静馬へは当初はきつい態度だったが、鎮台が引き起こした騒動を切っ掛けに、気のおけない仲となる。
声優コメント東京に設立されたポリスを統べる大警視。切れ者であるらしく、ポリスの巡査たちから一目も二目も置かれている。岩倉具視暗殺未遂事件での静馬の活躍を目にして巡査になるよう勧める。元賊軍の会津藩士だからと色眼鏡で見るようなことは一切なく、当初は元官軍の新政府に組みするのを嫌っていた静馬を、粘り強く説得した。
声優コメント大日本撃剱会の出場者の1人で、淡々としていて、どこか虚無的で冷たい眼をした青年。剣の腕前は相当なもので、撃剱会では本選へ難なく駒を進める。その正体は川路直属のポリスの密偵であり、命令とあれば暗殺的な任務も無感情にこなす。かつては新選組で齋藤一と名乗っていた。
声優コメント東京で芸者をしており、政府要人からもお座敷の声が掛かるほど。だがそれは表の顔であり、裏では「御前」と呼ばれる謎の人物の指令により、新政府関係の邪魔者を暗殺する仕事を請け負っている。芸者仲間の小梅には、面倒見良い優しい面を見せる。実は胸の病を患っている。
声優コメント雛鶴と一緒に暮らしている若い芸者。かつて雛鶴に命を救われた経験があるらしく、実の姉のように慕っている。彼女の裏の顔には薄々勘づいている。雛鶴が許嫁と死に別れたことや病のことなども知っていて常々力になりたいと思っている。澄江と同じ折り方のウサギを折ることが出来る。
声優コメント藤島や守屋組の背後にいる人物。「御前」と呼ばれ、人前に出る時は常に頭巾姿で現れる。武士の時代が終わったにも拘わらず、旧来の武家の人間のように紋付き袴姿で、頭巾の下の髪は髷も結ったままでいる。実際に西洋文明に傾倒している新政府を疎んでおり、藤島や守屋組を利用して新政府の要人暗殺や政治混乱を引き起こすことを画策する。
声優コメント東京で大きな勢力を持つヤクザ、守屋組の組長。自己顕示欲の強い粗野な男であり、どちらかと言えば力で物事を進める方を好む。組にわらじを脱いだ狂死郎の腕や知恵、龍三への忠誠度を気に入り、重用するようになっていく。守屋組は賭場などを開く一方、口入れ業や興行主なども務めており、大日本撃剱会も守屋組が興行主となっている。
声優コメント大日本撃剱会に参加している怜悧な女剣士。性格的には清廉で実直、剣の腕前も立つ。気持ちの良いさばけた人物である。整った細面の顔立ちの男装の麗人で、男口調でもあることから、普通に男性と思われてしまうこともある。静馬と関わり手合わせもするうち、彼に情を移すようにもなる。だが二刀流であることから、辻斬り事件の犯人ではないかと疑惑の目を向けられて……。
声優コメント狂死郎と行動をともにしている少年。俊敏にして和弓の名手であり、一度に数本の矢を同時に放ち、見事に相手に命中させることなど朝飯前。狂死郎を慕っており、彼のためならば平然と人殺しを行う。だが一応敬虔な信徒で、クルスを肌身離さず身につけている。
声優コメント狂死郎と行動をともにする怪僧。格闘や得物を用いた戦闘は行わないが、特殊な線香によって相手の深層心理の恐怖を増大させることで、幻覚を見せて狂い死にさせるという奇怪な技を使う。狂死郎とは対等の関係に近く、彼の秘めたる心意気に惹かれて力を貸している。
声優コメント狂死郎と行動をともにしている巨漢の男。豪腕ではあるが、その見た目に反して動きは極めて機敏であり、敵の気配を察知するのも特技である。クナイを得物として戦う。狂死郎の命を受けて、幻丞やダリオとは別行動をとり、守屋組と藤島との関係を揺さぶって不和を工作する。
声優コメント時は明治7年1月。元会津藩士の静馬は、東京でしがない車夫として生業を立てていたが、今も侍としての魂は持ち続けていた。同時に彼は、戊辰戦争で生死不明となった許嫁・澄江の行方を捜してもいた。仮に死んでいたとしても、そのことを自分の目で確かめるまではと思っているのだ。そんなある日、街中でポリスの巡査・小山内と牧野からふいに尋問を受け、岩倉具視暗殺未遂の犯人として捕らえられそうになる。もちろん身に覚えのない静馬は前日客として乗せた士族の男・武市が怪しいと直感し、小山内達を振り切って捜しに走る!
武市以下岩倉暗殺一味はポリスに捕縛されたが、その場に居合わせた静馬は結果としてポリスに協力する形になった。静馬の腕を見込んだ川路大警視はポリス加入を強く勧めた。かくて巡査となった静馬だが、あの小山内と組んで警邏することに。一方英国のパークス公使の密命で動く記者の黒木せんりは投獄された武市に面会し、謎の芸者が暗躍していることを知る。同じ頃、侠客・狂死郎は守屋組に近づくため、3人の仲間と守屋組と勢力を争う堂山組を皆殺しにし、その看板を組長の龍三に渡すのだった。組の汚れ仕事もかってでる狂死郎の真意は?
鎮台の起こした騒動を経て静馬と小山内は親しくなった。一方、川路は鎮台がポリスを逆恨みして屯所を襲撃した際に助太刀してくれた狂死郎が、旧庄内藩の池上宗一郎であるとの情報を得る。そんな時、静馬と小山内は死体から剥ぎ取った衣服を売る古着屋を捕縛。古着屋は狩人倶楽部から死体を引き取っただけという。そこで2人は手がかりを求めて古着屋が出入りしていた蔵屋を訪ねる。主の善兵衛こそ狩人倶楽部……拐かした人間で狩りを愉しむ組織の首領で、木戸孝允に圧力をかけ捜査を打ち切らせた。憤る静馬は小山内と独断で善兵衛を追う。
龍三と杯を交わした狂死郎が任されたのは、大日本撃剱会という剣の腕自慢大会だった。その龍三は、例の謎の芸者・雛鶴が仕える御前と呼ばれる男やその仲間の商人・藤島と、アヘンの密貿易で繋がっていた。静馬は、狩人倶楽部の魔手から救った芸者・小梅に澄江への手がかりがあると感じ、車夫時代からの友人・亀治郎にあたってもらう。同じ頃辻斬り事件が発生、被害者が大日本撃剱会に招待された剣客であったことから、静馬が参加者として撃剱会を探ることに。静馬は本選出場を決めるが、狂死郎自身も参加しており本選へと駒を進めていた!
守屋組に忠義を尽くす狂死郎だが、裏では仲間たちに藤島のアヘン輸送を邪魔させ、龍三との仲間割れを画策していた。そして撃剱会本選の日がやって来た。その出場者の中には、なぜか川路の密偵・藤田五郎の姿もあり、観客席には守屋組と狂死郎を内偵する目的のせんりもいた。本選では急遽真剣を使用した勝負へと変更されたが、静馬は初戦を辛勝した。彼の次の相手は美人剣士・中澤琴。彼女が使うのは、辻斬り犯と同じ二刀流だ!しかし急な雨によって以降の試合は翌日に順延。その夜、狂死郎は毒殺されそうになる。仕掛けたのは雛鶴だった。
琴との試合をした静馬は、その剣筋から彼女が辻斬り犯ではないと確信。正直に自分の身分を打ち明けた。辻斬り犯はもう一人の二刀流の使い手、狂死郎なのか?その狂死郎に小山内が斬殺された。静馬は怒りにまかせて試合に臨む狂死郎へと斬りかかるが、逆に深手を負わされてしまった。静馬を看病してくれたのは琴で、彼女は静馬が気に入ったようだった。撃剱会自体は盛況に終わり、龍三の狂死郎への信頼は増す。守屋組の若頭である後藤はそれが気に食わなかった。そんな折、狂死郎の工作が功を奏しついに守屋組と藤島の抗争が勃発する!
狂死郎の思惑通り御前こと平松武兵衛を引きずり出すことに成功したが、平松は狂死郎の正体を察し罠を仕掛けていた。窮地の狂死郎を救ったのは藤田だった。狂死郎は藤田を仲間に引き入れる。そして平松への憎しみのわけを、今の仲間との出会いを語って聞かせた。その頃小山内の仇と狂死郎を追う静馬だったが、小山内の死因には疑問があると緑川巡査は言う。一方雛鶴は小梅から、死んだと思っていた許嫁が生きていると聞く。雛鶴こそ澄江だったのだ。死病で余命僅かの彼女は、静馬への想いを断ちきり暗殺者としての目的完遂を心に決める。
亀治郎から澄江が見つかったと聞いた静馬だったが、澄江こと雛鶴は大久保利通暗殺を果たすため、競馬場へ向かった後だった。だが静馬が間に合い暗殺は未然に防がれた。一瞬目が合う二人だったが、雛鶴は仲間の皆川の手引きでその場を脱出。静馬は暗殺犯が女という以上の事はポリスには話さなかったが、彼の心情を察した琴には真実を伝えた。前後して東京で月が消えて木彫りの鯛が降ってくる怪現象が起こっていた。平松の黄金を意味すると思われる「エルドラド」を単身追っていたせんりは、パークスからこの怪事件の調査を依頼される。
平松と守屋組の隠れ家に狂死郎達が現れて、後藤や平松の刺客と大乱戦が巻き起こる。静馬も牧野の手引きでそこに乗り込み狂死郎とまみえるが、意外な形で小山内の本当の仇を知る事に。平松の陰謀は大久保や川路も知るところとなったが、平松には政府の裏をかく秘策があった。調査を続けていたせんりは、その全貌を掴み藤田にも教える。澄江と再会出来た事を静馬から聞いた琴は、彼の澄江への真摯な想いを感じ剣を渡すと、国へと帰っていった。その夜ポリスは平松と守屋組を急襲。計ったように狂死郎も幻丞とダリオを連れて現れた!
平松の狙いは、皇城を多数の気球で夜襲し帝を奪取する事だ。ポリスによって計画は阻止されたが、静馬は川路や藤田の前で澄江を連れて逃亡。抱き合う二人だったが、これまでの非道を悔いる澄江は静馬にある頼みをする……。一方狂死郎は平松を追い佃島沖の黒船に潜入。だが狂死郎抹殺に執念を燃やす後藤が待ち構えていた。後藤は先日の狂死郎との大乱闘の中で生き延びたが正気を失い、さらに平松の特殊なアヘンで完全に怪物化していた。流石の狂死郎も苦戦する。そこに静馬も元凶である平松を、そして狂死郎を捕らえるため乗り込んできた!
まず、『明治撃劔-1874-』に出演が決まった時のことから伺えますか?
アニメで時代劇は意外な感じもありましたけど、劇中に実際に起こった出来事が出てきたり、実在の人物が出てきて実際にもそう動いてたのかな? と感じさせてくれるリアリティを感じて、そこが面白いなぁと。実在の登場人物が勝手に動くのではなく、史実に合わせた動きをしていて、そこに架空の人物達がどう絡んでいくのか?みたいなところですよね。アフレコするにあたっては重厚感を意識しました。過去に見た時代劇……それこそ大河ドラマとかを思い出しながら、そういう空気感をつくりたいなとも思いました。でも僕は洋画の吹き替えの仕事が多いので、日本の時代劇はまずやることがないですから(笑)。
レアなお仕事でもあったんですね。狂死郎の第一印象は?
まず最初は絵(キャラ設定画)と名前からだったんですが、すごい名前ですよね「修羅神狂死郎」って(笑)。「死」なんて文字が入っていて。それにあの長髪に片目と、要素盛り盛りな感じで(笑)。そこに負けないように演じようと思いました。
ベースの演技プランとしては、でも淡々とクールにという方向ですか?
キービジュアルで狂死郎は青い炎を纏った剣を持ってますけど、その感じ。ただ冷めてる人ではなくて、心の中にふつふつと青い炎を燃やしているというイメージです。最初の話数は割と淡々とした芝居で進んでいくんですけど、後々怨みを抱いている相手と出くわしたりした時の変化というか……。クールな感じで来たところから、そこで「積年の恨み!」と、グッと感情を出すというか。そういうところでの変化は心掛けた気がします。
その「青い炎」の感じを台詞に乗せる上で意識されたことは?
やっぱりあの鋭い目つきですよね(笑)。でもそれは冗談とかではなくて、本当に身体から変えて(キャラに近づけて)、そこから最終的に「声」にするというのが、自分の中での声のお仕事に関しての「やり方」なんですよ。自分の身体が「演じる役に変わった」上での声ということで。そのためには一つの物に対して、そのキャラがどう見るか?みたいな感じでぐっと見据えたところから入って、それで台詞を発するやり方なんです。
狂死郎に「身体的に変わる」入口みたいな部分が、あの目つきなんですね。
だから狂死郎の眼光をいつもイメージしながら、「こいつは何を見てるんだろう?」って想像しつつ、同じようなものの見方から入って台詞を言う。だから、マイク前でもしかめっ面になって喋るわけです(笑)。でも声を張るのではなく、静かに。例えば「待てっ!」って強く言うのではなく、冷たく抑えた感じで「待て…」みたいな言い方になるんですが、そこはグッと集中して研ぎ澄ました感じで行くので、そのためにも僕は「見る」ことを大事にしているんです。狂死郎の物の見方を「見る」ことによって、まず自分が「騙される」(笑)。自分を(狂死郎だと)騙して台詞にする。つまりなりきることなんですけど、そのためには「見る」こと、そのキャラの「物の見方」が大事だなと思ってるんです。
何か「物の見方」の切っ掛けを掴んだようなシーンはあったのですか?それとも、全体的な雰囲気からですか?
そこは全体的にですよね。あるものからだけでなく、その先を見据えているようなイメージでやってました。やっぱり一つ一つの台詞ごとに、何に注意を向けているのか?が変わるので。ベースとしての「物の見方」は変えずに、そのシーンに合わせて「見据える」対象を変えてお芝居をしていった感じでしたね。
三上さんとして、狂死郎のこういう部分に注目というところはどこですか?
やっぱりただクールで怪しい謎めいた人物というだけじゃなく、人間的な部分もあるので。仲間の3人に対しての想いであるとか。そうした人間臭い部分も感じてもらえたいいかなと思ってます。1話辺りは本当に謎めいた感じで出てくるんですけど(笑)、実は先々まで見据えた行動を取っているので。だからきっと見ている方は、最初は狂死郎の狙いがなかなか読めないんじゃないかと思うんです。そうした部分も楽しんでもらえたらと思ってます。そうした部分も含めて、演じていても狂死郎は面白い役でしたね。ただ人を斬るだけの男ではないですからね。
例えばどういうところが、演じていて楽しかったのですか?
相手の心情にグッと詰め寄っていく様な台詞は楽しかったですね。でもそれだけ常に自分の中にエネルギーを溜めながら演じてる状態で、その分消耗も激しいんですよ。だからアフレコが終わると、グデ〜ってなっちゃってました(笑)。
3人の仲間については?
ダリオは可愛いですよね。いい子というか、狂死郎のグループの中の癒し……というわけじゃないですけど(笑)。幼さも残しつつも、でも戦いの腕は確かで。いい子ですよね〜。癒されますね〜。幻丞はお父さん的な感じですよね。だけどすごい技を持ってるんですよ。それを使うと、なんでも出来ちゃいそうで(笑)。演じられた松山鷹志さんは、僕がお芝居を始めて、最初に入った事務所の先輩なので昔から知っていて。そういう立場の人が幻丞を演じてくれたことはすごく嬉しかったです。収録はコロナ禍だったので一緒には録れなかったんですけど、アフレコ現場の駐車場ですれ違ったりしたら「おお、三上。これからか?」って声をかけてくれたり(笑)。
そうだったんですね。巨漢の愚円の印象は?
飄々としているけれど、でも頼りになるし。意外と何を考えているのか分からないところもあるんだけれど、ちゃんと仲間意識は持っていて。とにかく3人とも魅力的ですよね。狂死郎はこの3人に対してすごく信頼してる感じがあって、このグループ、いいなぁって。この4人を主役に、スピンオフを作ってくれないかなぁ?(笑)
三上さんからご覧になっての、主人公の静馬の印象はどうですか?
狂死郎が青い炎ならば、静馬は赤い炎ですよね。グワッと燃え上がるような熱い気持ちを持っていて。狂死郎が遠く己の目標の一点を見据えているとするのに対して、静馬は広く……話が進むごとに仲間もどんどん出来てきて、だけど目的に対しては真っ直ぐなところがあって。同時に爽やかなイメージもあって、みるからに「主人公!」っていう感じですよね。本当に狂死郎とは相対する感じです。光と陰、赤と青みたいな(笑)。そんな風に全く違う静馬と狂死郎の生き様を、見届けて欲しいと思います。
先ほど少し話もでましたが、この作品は虚実入り交じったストーリーなのが特徴ですよね。
そうなんですよ。この作品に関わることになって、少し明治初期のことを調べてみると「あ、本当に起こったことが描かれてるんだ!」って驚いて。まったくのフィクションではないので、本当にリアリティがありますよね。明治初期って様々な出来事がありすぎて、どうしても特定の「この出来事」についてという感じで分散しがちなんですけど、それがこの作品では上手く色々と散りばめられているので、また改めて色々知りたくなりました。この作品の一番の黒幕も、実在の人物ですからね。それを知って「本当にいたんだ!」って驚きました。見て下さる方も、これを切っ掛けに明治時代のことを調べると面白いんじゃないかと思いますよ。
では『明治撃劔-1874-』の放送を楽しみにされている方へ、メッセージをお願いします。
声優さんも洋画の吹き替えの人が多くて、そこも作品の一つの特徴になってると思います。ただ最近はこういう作品は少ないのかな?……時代劇もそうですし、実際に起こった出来事を絡めているところとか。だけどすごく明治初期のその頃の価値観も分かります。例えば会津と薩摩の立場とか。それがいきなりガラッと変わって、その中でみんなどう生きていくのか?それぞれの生き様がそれぞれにあって、そこがすごくドラマに臨場感と厚みを与えています。ぜひBS松竹東急でご覧になって、そうしたところを楽しんで下さい。
(インタビューアー ぽろり春草)
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折笠静馬 役
中村悠一
アフレコからかれこれ数年…遂に完成した本作ですが、登場キャラクターそれぞれに思いがあり目的があります。
各々の視点でお気に入りのものを見つけ出してもらいつつ、主人公である静馬がどう行動していくのか、楽しみにしていただきたいです。