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平成 ゴジラ六番勝負!11月4日(月)より6夜連続放送!「平成・VSシリーズ」生みの親 富山省吾プロデューサーが語るその魅力とは?  

2024年10月29日

お知らせ

この度、BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)の放送枠「よる8銀座シネマ」と「土曜ゴールデンシアター」では、11月4日(月)より、特撮映画の金字塔であるゴジラ70周年を記念して、「平成・VSシリーズ」6作品を一挙放送いたします!

放送にあたって、『ゴジラVSビオランテ』以降12本のゴジラシリーズの企画製作に携わった富山省吾プロデューサーからコメントが到着。

当時の時代背景、作品に込めた想い、特撮シーンを支えた川北紘一特技監督によるこだわりについて振り返っていただきました。さらには、ゴジラファンにもシリーズ未見の方も楽しめる、富山プロデューサーならではの視点での各作品解説も特別寄稿! ぜひ、放送とあわせてお楽しみください。


――「平成・VSシリーズ」を製作された際の心境について

1954年に製作され、900万人を超える日本人が観た映画。それが『ゴジラ』です。

ゴジラの生みの親は田中友幸(製作)、本多猪四郎(監督)、円谷英二(特技監督)、伊福部昭(音楽)の4人。そしてこの4人を結び付け、『ゴジラ』製作のゴーサインを出した森岩雄(東宝製作本部長)こそが、ゴッドファーザーでした。1986年に、田中友幸プロデューサーに命じられて『ゴジラVSビオランテ』の製作に就いた当時、田中プロデューサーは東宝映画社長で76歳になられていました。

子供の頃からスクリーン上の大文字で見てきた「田中友幸」のアシスタントとして学んだこと、それは、「ゴジラは怖いけど可愛い」という教えでした。この二律背反こそがゴジラの魅力、そして魔力です。これを座右の銘として、『ゴジラVSデストロイア』まで6本の「平成・VSシリーズ」でプロデューサーを務めました。


――現代のゴジラに「平成・VSシリーズ」が与えた影響について

田中、本多、円谷、伊福部の4人の生みの親の遺伝子を受け継いで作られた「平成・VSシリーズ」が、その後のゴジラシリーズに遺したものは何か。

ひとつはゴジラと核との因果性です。前作から9年ぶりに製作された『ゴジラ』(84)では、ゴジラが原子力発電所を襲い、放射能エネルギーを吸収したことによって、ゴジラと核との結びつきが確固たるものとして表現されました。その後、『ゴジラVSデストロイア』でのメルトダウンによるゴジラの死へと導かれます。

もうひとつは、デジタルの黎明期に開花した、歌舞伎のような外連味(けれんみ)たっぷりの光線や光粒子、金粉を駆使した川北特撮によるアナログとデジタルを融合させた視覚効果です。

円谷特技監督が特撮を発展させた1950年代の撮影所では、特撮映画はドラマを撮影する「本編班」と「特撮班」2つの組がそれぞれ撮影をして、1本の映画に仕上げる2班体制で作られていました。そのシステムを受け継いで作られた本シリーズも本編・特撮2班に分かれて撮影、仕上げをしていましたが、この後には一人の監督の元での複数ユニットによる制作システムに変わって行きます。このことも本シリーズがのちに向けて与えた変化、影響と言えるでしょう。

――近年のゴジラブームに対しての思いについて

『ゴジラVSデストロイア』(95)で「平成・VSシリーズ」が、『ゴジラ FINAL WARS』(04)で「ミレニアムシリーズ」が終了した後に誕生した2作品、庵野秀明監督が手掛けた『シン・ゴジラ』(16)と、山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』(23)は、それぞれの監督による作家性を全編に込め、創作への熱意と類稀なイマジネーションによってアート性を高めた素晴らしいゴジラ映画になっていると思います。これからも、作家性の強いゴジラ映画が生まれる期待と予感を抱いています。

これらのアートゴジラには、ルーツとなるゴジラの「怖いけど可愛い」という創作意図は見られませんが、それでも老若男女、国境、人種を問わずここまで愛されているのは、認知されたキャラクターとしてのゴジラの根源的な魅力によるとも言えるでしょう。これからも、新しい才能による新たな表現と装いを纏いながら、ゴジラは愛され続けることでしょう。


【ラインアップ・あらすじ】

11月4日(月)夜8時 『ゴジラVSビオランテ』

【富山省吾プロデューサーコメント】(以下同)

『ゴジラ』(84)の後、公募ストーリーから選ばれた小林晋一郎の原案をもとに、3年余の準備期間を掛けて、脚本・監督大森一樹、特技監督川北紘一で制作。“スタッフを一新して、これまでと違うゴジラ映画を作る”という田中友幸プロデューサーの想いが結実した作品として、時と共に評価が上がっている。ビオランテは、多くのデザイナーの考案による苦心の造形。自衛隊の全面協力で臨んだ撮影や、デジタル視覚効果の走りなど見どころも多く、伊福部昭が手掛けた「ゴジラのテーマ」と、すぎやまこういちによる音楽の融合は必聴。

11月5日(火)夜8時 『ゴジラVSキングギドラ』

ゴジラの対戦相手に最強のキングギドラを迎え、「平成・VSシリーズ」の人気が定着した本作。キングギドラを、宇宙怪獣から未来人が生み出した怪獣に設定を変更し、さらには戦うヒロイン、中川安奈さん扮するエミー・カノーが操縦するメカ怪獣へと変身させてゴジラとの最強決定バトルを展開! 大森演出のスピーディな運びと川北特撮の力業が、東京都庁大破壊と相まってファンを熱狂させた。トップシーンの空飛ぶ円盤に始まり、コジラ誕生秘話や人工知能アンドロイドの活躍などSF色に加えて、人気外国人タレントの熱演が楽しい。

11月6日(水)夜8時 『ゴジラVSモスラ』

自然と女性の象徴である巨大蛾、モスラ。新怪獣バトラも登場しての三つ巴の戦いが、高層ビルの夜景が美しい横浜みなとみらいで繰り広げられ、実写・特撮・アニメが融合した川北特撮の外連味(けれんみ)が開花した空中バトルと熱線ショーは名場面となった。モスラの歌とその自己犠牲のメッセージも強く、子供のファンの心を捉え、小林聡美さんやモスラファンである田中好子さんなど女性キャストが輝いた。2大スター怪獣共演によって「平成・VSシリーズ」最高観客動員を記録! 監督は大河原孝夫にバトンタッチ。

11月7日(木)夜8時 『ゴジラVSメカゴジラ』

冒頭、伊福部の新曲である冒頭のメインタイトル曲がファンの度肝を抜いた本作。ベビーゴジラを登場させた三村渉脚本は怪獣の生命の絆を謳い、メカゴジラ=人間社会との対比を描く。ラドンまでもが登場したのは、ハリウッドゴジラに向けてシリーズ終了が予定されていたためで、対ゴジラ組織Gフォースなどフィクション色が増し、戦いに参加する三枝未希(小高恵美)の苦悩が深まる。特撮では、ゴジラが初めて京都に出現。圧巻はラストのゴジラとベビーゴジラの見つめ合いで、情愛あふれるゴジラの表情は川北特撮の快挙。

11月8日(金)夜8時 『ゴジラVSスペースゴジラ』

監督山下賢章・脚本柏原寛司・音楽服部隆之と、一新されたスタッフが異彩を放った「平成・VSシリーズ」の間奏曲。山下・柏原がちりばめたアクションシーンを縫って語られる、シリーズヒロイン小高恵美さんと橋爪淳さんの熱演による淡いラブストーリーも見どころ。敵怪獣スペースゴジラは“悪魔的”ゴジラとして人気を博す。バトルエリアは福岡タワー周辺で、川北特撮の見せどころはモゲラと結晶体ミサイル。何より、川北監督好みのリトルゴジラが愛くるしい魅力を放ち、渋いオヤジキャラを演じた柄本明さんと好対照を見せた。

11月9日(土)夜9時 『ゴジラVSデストロイア』

1995年に起きた阪神・淡路大震災への鎮魂を込めて、シリーズ最終作として大河原監督、大森脚本で「ゴジラの死」を描く。1954年の初代『ゴジラ』への合わせ扉として、オキシジェン・デストロイヤーから生まれた怪獣デストロイアが出現。さらには一作目のヒロイン河内桃子さんが再登場。伊福部レクイエムによって葬送されたゴジラの描写は川北監督が果敢にCGに挑戦し、特撮との融合で魅せる。

【放送スケジュール】

・11月4日(月)夜8時 『ゴジラVSビオランテ』
・11月5日(火)夜8時 『ゴジラVSキングギドラ』
・11月6日(水)夜8時 『ゴジラVSモスラ』
・11月7日(木)夜8時 『ゴジラVSメカゴジラ』
・11月8日(金)夜8時 『ゴジラVSスペースゴジラ』
・11月9日(土)夜9時 『ゴジラVSデストロイア』


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