ベテラン車掌の青木吾一（渥美清）は、寝台特急「さくら」での乗務中に、かつての思い人である塚田毬子（佐久間良子）と再会する。自身も妻子ある身でありながら、夫との決別を考える毬子に横恋慕する吾一。後日、夫のどこかよそよそしい態度に疑念を抱いた妻きぬ子（楠トシエ）は、仕事へ向かう吾一の後を追うが…。国鉄時代の特別急行列車を舞台に、乗客たちの騒動が描かれる。

渥美清主演『列車』シリーズ第1弾。日本国有鉄道の協力により、実際の駅や列車を舞台に、撮影が行われた。懐かしい車窓風景や駅舎も見どころの一つで、映画ファンだけでなく、鉄道ファンにも見てほしい名作。

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愛媛県の伊予和田駅に勤務する国鉄職員、山川彦一（渥美清）。助役試験のため勉強に励む彦一は、ある日美しい未亡人・志村小百合（佐久間良子）と出会い、次第に惹かれていく。一方で、独身の彦一を心配した叔父によって設けられたお見合いの場で出会った日高邦子（城野ゆき）は、誠実な彦一に好意を抱くように。二人の女性の間で、彦一の恋心は激しく揺れ動き…。

渥美清主演の『列車』シリーズ第2弾。監督・脚本などスタッフの顔ぶれは前作とほとんど変わらないが、舞台を四国へと移し、渥美清演じる主人公の役柄も大きく変更された。国鉄四国支社協力のもと製作された本作では、松山駅、宇和島駅、高知駅、徳島駅の国鉄時代の旧駅舎を見ることができる。

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幼い頃に両親と死別し、貧しい生活を送ってきた山田正助（渥美清）。まっとうな教育を受けることができなかった彼にとって、三度の食事と俸給付きの軍隊は、天国のような場所だった。しかし、戦争終結のうわさを聞き、この天国から放り出されることを恐れた正助は、「ハイケイ天ノウヘイカサマ」と手紙を出すことを決める。

松竹を代表する名監督である野村芳太郎が、棟田博の同名小説を映画化した風刺喜劇。長門裕之演じる作家棟本の視点から、渥美清演じる純朴な主人公の人生が描かれる。渥美清にとって初の本格喜劇となり、名俳優としての地位を確かなものとした。

≫≫『拝啓天皇陛下様』詳細

家族と死別した孤独な青年、山口善助（渥美清）は、北京への出征を命じられる。そこで軍犬兵として、高貴な血筋のヤエノ夫人（久我美子）から送られたトモハルという軍犬の飼育を担当する。終戦後、トモハルの首輪を持ち夫人のもとを尋ねた善助は、やがて彼女に献身するようになるが…。

高い評価を受けたシリーズ前作と同じく、棟田博の小説「拝啓天皇陛下様」を原作とした喜悲劇だが、前作から設定やストーリーを大きく変更して制作された。戦後の日本社会や庶民の生活が丁寧に描写され、戦後復興期における人々の苦悩や葛藤が描かれている。

≫≫『続 拝啓天皇陛下様』詳細

売れない漫才師・鶴川角丸（渥美清）は、師匠の死をきっかけに上京を決意する。かつての相方で今や売れっ子の東京ムーラン（長門裕之）に会いにいくが、仕事や浮気で忙しいムーランにまったく相手にされない。やけ酒におぼれる角丸は、飲み屋で再会した幼馴染でハーフの村瀬アヤ子（壷井文子）と二人で漫才を始めることになる。

渥美清主演の『拝啓』シリーズ最終章にして、初のオリジナル脚本となった本作。純朴な軍人を演じた前2作品とは大きく設定が変わり、今回の主人公は上方漫才師。東京都出身の渥美清が全編関西弁での演技に挑戦している。

≫≫『拝啓総理大臣様』詳細

アメリカで大人気のクイズ番組「21（トゥエンティ・ワン）」で活躍する無敵の王者ハービー・ステンプル（ジョン・タトゥーロ）は、番組プロデューサーからある誘いを持ちかけられる。それは他のクイズ番組への出場権と引き換えに、わざと負けてほしいというものだった。悩んだ末、間違った答えを口にしたハービーだったが、このことがアメリカの放送史に残る一大スキャンダルへと発展していく…。

アメリカ全土に衝撃を与えた、実際のクイズ番組の不正スキャンダルを題材にした社会派映画。テレビの持つ影響力の脅威をリアルに描き、第67回アカデミー賞で、作品賞や監督賞にノミネートされた。

≫≫『クイズ・ショウ』詳細

数々の難事件を解決し、一躍スターとなった名探偵金田一耕助（古谷一行）。すっかり有名になり、等々力警部（田中邦衛）とともにグラビア撮影に忙しい金田一だったが、心躍る事件はなかなか起きない。そんなある日、金田一は女首領マリア（熊谷美由紀）率いる窃盗団「ポパイ」に拉致される。彼女の目的は、過去に金田一が携わった未解決事件に関するものだった…。

横溝正史による推理小説を映画化したミステリーコメディ。金田一シリーズの中でも異色の作品で、あらゆる映画やCMなどのパロディがてんこ盛り。50代・60代にはたまらない一作となっている。横溝正史本人や、推理作家の高木彬光も友情出演しており、ミステリーファンにもぜひ見てほしい作品だ。

≫≫『金田一耕助の冒険』詳細