塩冶判官は高師直に刃傷に及び切腹、家は断絶となってしまった。塩冶判官の家臣の早野勘平は腰元おかるとの逢瀬のため主君の一大事に居合わせなかった責から侍ではなく猟師となって暮らしているが、ある日雨宿りをしているところに同志の千崎弥五郎と再会、主君の仇討ちに加わるため、資金調達を約束し別れる。
一方、おかるは勘平に元の侍に戻って欲しいと願い祇園町に身を売ることに決めた。父与市兵衛は身請けの金の半金50両を受け取り家路を急いでいたが、夜道で斧定九郎に襲われ命を落とし、おかるを身売りして用立てた金を奪われてしまう。様式美と洗練された演出で描く男の悲劇。
(2017年/平成29年11月・歌舞伎座)