44話
紀元前108年、朝鮮半島を含む大帝国を領有した古朝鮮国は、隣国・漢により滅亡。将軍・ヘモスとその友人で玄菟郡に属する扶余の太子・クムワは、圧政に苦しむ古朝鮮の流民(流浪の民)を率いてタムル軍を編成、漢に抵抗するが漢軍との闘いで重傷を負ったヘモスは、瀕死のところをユファに救われる。やがて2人は恋に落ち、ユファはヘモスの子を身ごもるが、それを知る間もなく、ヘモスは漢軍の矢に倒れてしまう。
ユファを心密かに想うクムワは彼女を側室に迎えると、友の忘れ形見チュモンを我が子として育てることを誓う。20年後。扶余の王となったクムワの三男として育ったチュモンは、長兄テソや次男ヨンポに比べ、意気地が無く軟弱なため、ユファやクムワを失望させてばかり。にもかかわらず父の寵愛を一身に受けるチュモンを、クムワの正妻や2人の兄たちは憎々しく感じ、チュモン殺害の計略を企てていた。