頃は幕末。内憂外患の状況を呈した日本が近代国家への脱皮にもがき苦しむその時、1人の薩摩藩士が忽然と光を放ち始めた。その名を西郷吉之助という。
安政の大獄ののち、2度の遠島生活を送る中、次第に成長した西郷は、同郷の大久保利通らと共に、薩摩藩外交の表舞台に躍り出る。時代がなにより西郷の強烈な個性を必要としていたのである。
西郷はやがて、勝海舟、坂本龍馬といった幕末の傑物と出会う中で倒幕の意志を固め、薩長連合、大政奉還などを押し進め、徐々に幕府を追い詰めていく・・・。
大器晩成の西郷31歳当時から、西南戦争で破れ故里の城山で最期をとげるまでを描いたスペシャル時代劇『田原坂』。青雲の志を抱く西郷が、大望を遂げるためのさまざまな出会い、恋、結婚、別離などに、幕末から維新にかけての歴史的事件を織りまぜながら描く。